新しい。
それぞれのゲームは、いわゆる体験型のアート作品に通じると思った。それをパブリックスペースではなく個々人のiPad/iPhoneレベルにまで食い込ませてしまったことが新しい。crystallineはユーザーの選択により音楽の構成が変わる。virusは曲だけ聴くなら蠱惑的なラブソング(?)、映像のキモ怖さもいつものビョークと思えるが、これでしっかり分子生物学とリンクしているのがなんとも。
アプリ全体、彼女の見ているビジョンの大きさに驚かされる。いずれの曲にも大自然に対する彼女のリスペクトを感じる、などと言ってしまえば陳腐だが、ヒト以外の挙動にリンクすること、感動すること、芸術として昇華すること、更には教育と銘打って伝えようとすること…… これらを同時にこなすプロジェクトなど、そう多くはないはず。しかもiPad/iPhoneアプリという、ユーザーにとってはこの上なくお手軽・安価な形で。
もちろん彼女一人ではなく、多くの人の手を経てユーザーのもとに届けられている。感謝したい。
eukare about
Björk: Biophilia, v1.1